FC2ブログ
プロフィール

TMU高大連携室スタッフ

Author:TMU高大連携室スタッフ
東京都立大学、高大連携室のブログ。イベント情報や、高大連携室でのできごとなど、活動記録を中心に掲載します。所属する教員・学生スタッフがそれぞれの視点からつづります。
E-mail:koudairg@tmu.ac.jp

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

TMU高大連携室のスタッフブログ
~活動記録とお部屋でのできごと~
山口先生にインタビュー!<後編>
 こんにちは!院生スタッフの星です。
 山口先生にインタビューした記事の後編をお届けします!
(前回の記事はこちら→山口先生にインタビュー!<前編>




【大学について】

―高校と大学で違うことは何ですか?

 1つ目の違いは、高校の先生は教えるプロですが、大学の先生は研究のプロという点です。大学の先生は研究者であり、その道の専門家です。
 2つ目の違いは、高校から大学に進学する人は多いですが、大学(大学院)を卒業したら研究者含めて社会人になるということです。つまり、大学は教育を受ける最後の場です。大学を出たら社会人になるんだという意識を持ってほしいと思っています。

―先生から見て首都大はどんな雰囲気ですか?首都大生はどんなイメージですか?

 首都大は少人数教育が魅力の1つだと思います。私が分子応用化学科の助手になった頃は、教員40名に対して学生48名というとても恵まれた環境でした。現在はそこまで教員は多くないですが、学生の顔や名前はだいたい分かりますし、距離も近いと思っています。また学生が少ないことから、他大学だと大学院生しか触れないような何千万円もする実験装置を4年生も使うことが出来ます。
 また、首都大生は真面目とかおとなしいとかよく言われますが、個性的な人もいますよね。一概には言えないと思います。

山口先生2

【高校生活・進路について】

―高校生活で大切だと思うことは何ですか?

 まずは友達作りです。私が高校生の頃所属していた水泳部や天文部の仲間は、今でも付き合っている友達が多くいます。
 それから、自分の好きなことや打ち込めることを探してほしいと思います。私は天文が好きでした。本もたくさん読んでいました。今の若い人は本をあまり読まないので、ぜひたくさんの本を読んでほしいです。
 それから、挫折することも大切です。たくさんチャレンジすれば、その分挫折もたくさんあります。私は高校1年生の頃水泳部に所属していましたが、タイムが伸びなくなって辞めてしまいました。そのことをとても後悔して、大学生になってから高校で水泳部のコーチをしました。失敗を恐れず挑戦して、挫折を乗り越えることが大事です。一生上手くいくことなんて、ありえません。
 また、いろんなものに好奇心をもって、どんどんやってほしいと思います。出来るか出来ないかはやってみなければ分かりません。

―文理選択や学部学科選びや大学選びに悩む高校生も多くいます。

 私も高校2,3年生の頃、自分はこれで良いのかなと思ったことがあります。悩むことは大いに大事です。
 また、偏差値で決めるのは良くないと思います。学生を見ていると、中には「偏差値で選んで来てみたら、思っていたのと全然違う」という学生もいます。得意か不得意かではなく、好きかどうか、やりたいかどうかで選んでほしいです。向いているかどうかは本人にしか分かりません。自分中心で考えてほしいです。人生100年の時代ですから、何でもやってみて、ダメだと思ったらやり直すことができます。試行錯誤が大切ですね。私の知り合いには、一度社会に出て働いてから本当に学びたいことを見つけて、もう一度大学や大学院に入り直す人もいますよ。

山口先生3

【メッセージ】

―最後に高校生にメッセージをお願いします!

 まず、自分が好きなことを見つけてください。そして何でもチャレンジしてください。また悩みがあるときは1人で悩まず、先生や友人に相談してみてください。
 最後に、大学では、勉強や研究の仕方を学んでほしいと思っています。勉強したことが直接すぐに役に立つことは多くありませんが、上手くいかないときどうやって乗り越えたかということは、これからの人生でとても大切です。失敗を乗り越える力を養ってほしいと思います。これからは変化の大きな時代になるので一生勉強が必要、ということです。

―ありがとうございました。




【インタビュー後記】
 私が山口先生に初めてお会いしてから4か月以上経ちましたが、たくさんじっくりお話をしたことがなかったので、どのような方なのだろうと今回のインタビューをとても楽しみにしていました。なんでもやってみる、チャレンジすれば挫折することもある、でもダメだったらやり直せばいい、失敗を乗り越える力が大事、というお話が印象的でした。「高校生に何と言えば伝わるかな」と言葉を選びながらお話をしてくださいましたが、大学院生である私にとっても自分を見つめ直すことが出来る貴重な時間になりました。社会に出てからも「一生勉強」ということを忘れずにいたいなと思います。
 高大連携室には、大学院生スタッフの他に、これまで様々なご経験をされてきた教員スタッフが山口先生含めて5名所属しています。ぜひ高大連携室にご来訪された際には、先生方ともお話されてみてはいかがでしょうか。お待ちしています!
山口先生にインタビュー!<前編>
 こんにちは!院生スタッフの星です。
 先日、10月から高大連携室に教員スタッフとして来てくださった山口素夫先生にインタビューをしました。そのインタビューを2回に分けて掲載します。
 本日は、先生がどのようなことを経験されてきたかをお話いただいた前編です!



―山口先生、よろしくお願い致します。

【先生ご自身について】

―まずは、所属を教えてください。

 昨年の3月までは、都市環境学部都市環境学科分子応用化学コース(現:都市環境学部環境応用化学科)所属の教授でした。現在は名誉教授・特任教授となり、高大連携室のスタッフをしています。

―どのような研究をされていましたか?なぜその研究を始めたのですか?

 「錯体化学」という分野の研究をしていました。錯体とは、真ん中に金属があり、その周りに有機物や無機物が配置されているものです。特に触媒の研究や、機能性材料や抗がん剤などにも使われるような実用性があるものの研究をルテニウムと呼ばれる金属が真ん中に配置されている錯体を用いて研究していました。

 小学生の頃は、宇宙の話が好きで天文学者になりたいと思っていました。また小学校5,6年生の担任の先生は理科が好きで「世の中には分かっていないことがいっぱいある」ということを教えてくれました。
 理系を選び東大に入り、1年生の頃は応用物理に興味がありました。世の中にある全てのものを物理学で解明していくことが面白かったからです。東大では3年生になるときに成績順で学部を選びますが、私は成績があまり良くなくて第3希望の工学部工業化学科になりました。そして4年生になるときに錯体化学の研究室を選びました。実は私が自分の研究室を選んだ時、錯体化学をやっていることを知りませんでした。その研究室の先生は「立体化学」という有機物についての講義をしていたので、有機物について研究できると思っていたんです。しかし、やってみたら錯体化学も面白い分野でした。
 化学や生物は実験が多い分野ですから、とても楽しかったです。物理はどちらかというと大きな装置をチームで動かし研究しますが、化学や生物は個人でも出来ます。だから実験が好きということは大事だと思います。

山口先生1

―なぜ大学の教員という仕事を選んだのですか?

 自分の研究を学部4年生、大学院修士課程1,2年生と3年間やってきて、もっと続けたいと思ったことが1番大きかったです。就職して企業で研究する道も考えましたが、言われたことをやらなくてはいけなかったり、すぐに結果を出さなくてはいけなかったりと、自分のやりたいことをコツコツできる環境ではないと思い、大学院の博士課程に進学し大学の教員になりました。
 小さいころから、大学の先生になりたいとか研究者になりたいとか思っていたわけではありませんでした。



 次回は、高校と大学の違いや、高校生活で大切だと思うことをお話いただいた後編を掲載します!
大学院生インタビューNo.2 根元裕樹さん(地理学専攻)
7月がはじまり、暑さが一段と増しましたね。熱中症にかからないように水分補給を十分にとって、適度にクーラーも使用して下さいね。

第2回目の大学院生へのインタビューは、「日本地理学会賞」(優秀論文部門)を受賞された、
根元 裕樹(ねもと ゆうき)
さん(2012年都市環境科学研究科学域修了)です。

根元さん

根元 裕樹さん(クリックすると画像が拡大します)



根元さんの賞状

根元さんが受賞された日本地理学会賞の賞状


 院生スタッフの坂口が、根元さんに研究内容、研究に関するエピソードや大学生活に関するお話を伺いました。Q&A形式で、その一部始終を掲載します。

○地理学専攻、研究について

坂口: この度の受賞おめでとうございます。さっそくですが、質問に入りたいと思います。
なぜ、地理学専攻を専攻されたのでしょうか?

根元さん:自分の関心としては、地図・歴史・プログラミングがありました。しかし、いろいろ調べてみたのですが、この3つを全て学べる学部・学科はありませんでした。そんな中、本学の地理環境コースを見つけ、地理情報学(GIS)の研究室があり、地図とプログラミングに触れることができると考え、進学先として選びました。

坂口: 受賞された研究テーマを教えてください。
根元さん洪水氾濫シミュレーションを用いて信玄堤の各治水施設が同一の治水計画に基づいて築かれたかを考察しました。信玄堤というのは山梨県の富士川水系の釜無川と御勅使川の合流部付近で見られる治水施設群のことを指し、武田信玄が戦国時代に築いたと伝えられています:

坂口: なぜこの研究テーマを選んだのですか?
根元さん: 信玄堤は従来、歴史学の研究対象とされてきました。その研究の過程で信玄堤が武田信玄により治水のために築いたという概念が否定されつつありました。その一方で、ほぼ唯一の自然科学的研究対象として、治水施設群は治水システムとして成り立っていると結論づけられてきました。そこで、私は、改めて信玄堤がそのような思想によって作られた治水システムなのか、つまり本当に信玄が築いたものなのかを調べるために、信玄堤の研究ではこれまで用いられてこなかった洪水氾濫シミュレーションという自然科学の手法でアプローチすることにしました。

坂口: 今回受賞された研究はどのような背景から取り組もうと思われたのですか?
根元さん:大学入学後には、自分の関心のある地図とプログラミングについて学びました。さらに、歴史についても研究対象にできるテーマを探しました。そこで見つけたのが、歴史的なテーマでありながら、実質的には、堤防という土木工学的な内容を含んだ信玄堤でした。堤防=洪水は、近年話題になっているハザードマップを作るためにシミュレーションが行われていることを知っていたので、信玄堤ならば、地図・歴史・プログラミングの全てを満たせると考え、卒業研究のテーマで選びました。

坂口:どのように研究を進めたのですか?
根元さん: 最初に現地に出向きましたが、治水遺跡群の巡検が中心でした。その後はコンピューターシミュレーションによる解析で研究を進めました。信玄堤は、複数の堤防の総称なので、それらの配置の組み合わせを変えて、洪水氾濫シミュレーションを行いました。さらにそれらの結果を先行研究と史料の内容を加味しながら、考察を行いました。

坂口: 今回の受賞は研究のどこがポイントになったのでしょうか?
根元さん: シミュレーションの結果と史料に遺されている内容から、信玄堤は武田信玄が築いた一つの巨大治水システムだったのではないかという結論を導くことができました。このようにして、従来、歴史学の分野で行われてきた研究対象を、私が自然科学的な手法を用いて、地理学としてまとめ上げたことが今回、日本地理学会賞(優秀論文部門)を授賞した理由であると考えています。また、地理学だからこそ、それができたと言えるでしょう。


根元さんの研究図1

信玄堤の位置・調査フィールド


○進路について

坂口: 根元さんの進路についてですが、大学院に進学した経緯や院生時代のエピソードなどをお聞かせください。
根元さん:専門職に就きたいと考えていました。そのためには学部4年間では不十分で、大学院で専門的な技術を学ぶことが必要と考えて進学しました。大学院では専門的な技術を身に付けるために進んだつもりでしたが、今、振り返ると自ら進んで、「研究」したことにより、さまざまな専門的な技術も得られたと感じています。
また大学院では誰かに教えてもらうというよりは、自分で色々調べた知識を用いることが多かったです。例えば、研究室の後輩への質問に対応するにもさまざまなことを調べますよね。そうして大学院入学後は自分で身に付けた知識で、考えていくことが多くなったと思います。それも卒業論文をきちんとやり遂げ、学部で土台を築くことができたからだと思います。


○課外活動について

坂口:研究活動以外ではどのようなことをして過ごしていましたか。
根元さん: 自分は興味が色々なところにありました。学内のコンピューター教室の学生アシスタントや高大連携活動も一部携わりました。また教員資格も取り、中学・高校の理科と社会の両方の教員免許とさらに学芸員資格も取得しました。自分が面白そうと思うものは全てやってきました。

坂口: 高大連携活動にも携わっていたとのことですが、そのきっかけはなんですか。
根元さん:母校である都立町田高校での教育実習の際、同じく実習に参加していた本学の生命科学コースの学生からお話を聞いたのがきっかけです。それで、2010年、2011年の2回、「都立町田高校の大学での学び講座(首都大で開催された)」で高校生に向けてお話をさせてもらいました。

○最後に

坂口:高校生へメッセージをお願いします。
根元さん: 楽しいと思うことをやってください。誰かに言われなくてもやってしまうことを、どんどんやれると良いですね。 
自分でやっていて楽しいことは続けられます。だから、高校生の今のうちに何が楽しいかを探すことが大切ですね。



根元さんと坂口さん図2

インタビューの様子(左:根元さん、右:高大連携室スタッフの坂口)


<経歴>
根元 裕樹(ねもと ゆうき)
2005年3月東京都立町田高等学校全日制普通科卒業
2006年4月首都大学東京都市環境学部地理環境コース入学
2010年3月同卒業
卒業論文のテーマ:洪水氾濫シミュレーションを用いた信玄堤の治水能力の再評価
2010年4月首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻
2012年3月同大学院修了
修士論文のテーマ:洪水氾濫シミュレーションを用いた備中高松城水攻めに関する研究
現在は、民間企業で地理情報を用いた業務に従事


<編集後記>
 同じ地理環境コースの先輩をインタビューするというのは不思議な感覚でした。根元さんが在籍していたころは、いろいろお話を聞かせていただいていまして、信玄堤の研究についても前から取り組まれていることは知っていました。その研究が、日本の地理学で最も権威のある日本地理学会から受賞されたのは、非常に感銘を受けたとともに、私自身、優秀な方々の中で学ばせていただいているのだと改めて実感をしました。そんな先輩方に自分も負けないように努力していきたいと感じました。お話にありました、研究したからこそ、「技術」が得られた、というエピソードは大学院生に大切な示唆が含まれていたと感じます。また、これは学部生にも言えることで、日々の授業を大切にし、レポートや討論に一生懸命取り組むことで、後から、色々なスキルが身に付くのだと思います。また、これを読んでくださった高校生のみなさま、少し内容は難しかったかもしれませんが、大学では、このような研究ができるのだという雰囲気を感じていただければ幸いです

根元さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。

インタビュアー:坂口 豪(高大連携室 大学院生スタッフ)
2012年3月 首都大学東京都市環境学部地理環境コース卒業
2012年4月より 同大学院観光科学域にて博士前期課程在学中

記事掲載:学生スタッフ




3月8日合格発表の瞬間 合格者3名のインタビュー
こんにちは、高大連携室の院生スタッフの坂口 豪です。

最近は、暖かい日と寒い日が繰り返し、さらには強風が吹いて煙霧まで起きるなど、体に堪えるような天候が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

私は花粉症にも悩まされ、鼻がむずむずして研究に支障をきたしています・・・(-_-)。。。

鼻の不具合から風邪まで併発をしてしまい、熱で頭の働きがさらに悪くなっております。

皆さんも、本当にお気を付けください。


本日のブログは、先週の金曜日3月8日に行われた、

一般入試(前期日程)の合格発表のもようをお送りします。


首都大学東京では多様な入試形態がありますが、大多数の入学者は一般入試(前期日程)によります。

2月25・26日に前期日程の入試が行われ、3月8日に合格発表というスケジュールでした。

これは、ほとんどの国公立大学で同じだと思います。


ここからは写真で、合格発表の様子を見てみましょう


DSCF2754.jpg
①合格発表が行われる前 11時50分頃の発表場所付近 
多くの受験生や関係者が集まってきました

DSCF2755.jpg
②まだ合格者の受験番号が記載された側は伏せられています

DSCF2756.jpg
③特別選抜の合格者

DSCF2757.jpg
④この方たちの胴上げも見ものです

DSCF2761.jpg
⑤さぁ、いよいよ合格者が発表されます。緊張の瞬間です。

DSCF2762.jpg
⑥12時ちょうど。発表開始とともに歓声が上がりました。

DSCF2763.jpg
⑦いっせいに、全員の視線が看板に向けられます。遠くからでも自分の受験番号を見つけ歓喜の声が聞こえてきました。

DSCF2764.jpg
⑧自分の番号があるか、にらめっこ。見つけた方々は記念に写真をパシャリ。
自分も5年前に撮りましたね~。

DSCF2765.jpg
⑨都市環境学部 建築都市コース に合格された男子生徒



◎ここで合格者インタビュー その1◎



写真⑨の男子生徒さんにいくつか質問させていただきました

建築都市コースの合格おめでとうございます。

Q1.どちらからお越しですか?
A1.兵庫県から来ました。

Q2.建築を専攻しようと思った動機は何ですか。
A2.モノづくりが好きで、それで決めました。

Q3.大学で勉学以外で取り組みたいことはありますか?
A3.ずっとサッカーをやってきたので、サッカーサークルに興味があります。

Q4.合格したことを誰に最初に伝えたいですか?
A4.やっぱり家族ですね。

ありがとうございました。良いキャンパスライフを!



◎合格者インタビューその2◎


生命科学コースに合格された女子生徒さんにお答えいただきました。
ご家族の皆さんと、長野県からお越しいただきました。

Q1.生命科学の中でも特に興味のある分野はありますか。
A1.遺伝学に関心があります。

Q2.大学で挑戦してみたいことはありますか。
A2.中学、高校ではテニス、バスケをやってきました。今度は違うスポーツにチャレンジしてみたいです。

Q3.ご家族でお越しいただいていますが、この後のご予定は?
A3.アパートを探しにいきたいと思います。

本当におめでとうございます。ありがとうございました。




さぁ、そして3人目のインタビューなのですが、まずはお写真でその様子を。

DSCF2769.jpg
人文・社会系の合格者一覧から自分の受験番号を見つけた女子高校生。

その瞬間、一緒に来られた母親と飛び跳ねて喜んでおられました。

DSCF2768.jpg
⑪喜びを分かち合う、母と娘。
なんだか良い光景ですね~。



◎合格者インタビューその3◎


地元、多摩からお越しの写真⑩・⑪の女子生徒さん。
人文・社会系に合格ということですが、

Q1.幅広い学びができる人文・社会系ですが、現時点で興味のある分野はありますか。
A1.社会学に興味があります。

Q2.大学のクラブ活動でやってみたいことは?
A2.高校時代は吹奏楽部でした。大学ではオーケストラとかも見てみたいです。

どうも、ありがとうございました。

このように、合格発表の会場では様々なドラマが展開されていました。

3月の23日は後期日程の合格者も発表されます。

それをもって平成25年度の入学者がすべて決まります。



最後に、ひとつだけ。

「合格者のみなさん、本当に合格おめでとうございます」


「大学入学はゴールではありません、

 ここからがスタートなのです」



高大連携室では、皆さんの学びをサポートいたします。

高校と大学をつなぐ、それが高大連携です。

高校と大学では様々なことが違ってきます。

いろいろと戸惑うこともあるでしょう。

そんなときに活用してください。


大学院生インタビューNo.1 客野遥さん(物理学専攻 D2)
冬も深まり、外に出るのが厳しい季節になりましたね。此度、高大連携室は「首都大ではどんな研究が行われているの?」「研究活動の様子が知りたい」という声にお応えすべく、本学で活躍されている大学院生にインタビューを行う企画をスタートしました。主に大学院生の研究内容や大学生活について、高大連携室スタッフとの対談を交えてお伝えしていきたいと思います。

記念すべき第1回は、
2012年度第7回ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」(物質科学分野)を
受賞
された理工学研究科物理学専攻博士後期課程2年(ナノ物性Ⅰ研究室所属)
客野 遥(Kyakuno Haruka)さん
にお話しを伺いました。



客野さん1
インタビューにお答えいただいた客野遥さんです。


○研究内容について

高大スタッフ: この度の受賞おめでとうございます。受賞された研究内容を教えてください。
客野さん: 私は今ナノ物性研究室というところで「ナノ空間での水の性質」の研究を行っています。具体的には、カーボンナノチューブ内のナノ空間に閉じ込められた水についての研究です。ナノ空間とは、1ナノメートル=10のマイナス9乗メートル(1メートルの10億分の1)で、水分子だったら三個くらい並ぶくらいのすごく狭い空間のことです。そういう狭い空間に分子や原子が収まると、それらの分子は私たちが生活しているような「普通の空間」とは異なる性質を示すようになります。水分子の場合、カーボンナノチューブの中に入れると室温で氷になるなどの普通とは違う性質を持つようになります。そしてカーボンナノチューブはいろいろな太さのものがあるので、その筒の太さをいろいろ変えると、そこに閉じ込められた水の性質も少しずつ変わっていきます。ちょうど良い太さのカーボンナノチューブを使うと、水分子が5角形に並んだ構造の結晶を、ちょっと太くすると6角形、7角形、8角形のリングを作ることが出来るんです。

高大スタッフ: 研究の一番のアピールポイントを教えてください。
客野さん:やっぱり、水って身近なものなんだけど分からないことが多いんです。つまり、やってみると新たな現象が分かることが多い。そして一般的な水からナノスケールの水まで、いろいろな個性を持っている。また、その応用の可能性も秘められている、ということです。


○「研究すること」について

高大スタッフ: 首都大は比較的どこの学部も「基礎研究」の色が強いですが、「基礎研究」の楽しさ、やりがいはどんなことですか?
客野さん: 繰り返しになりますが、水ってすごく身近なものであるにも関わらず実は良く分かっていないことが多いんです。例えば氷は、液体の水に浮きますよね。でもそれって本当はすごく不思議なことで、水以外の液体の場合は結晶の方が密度が高いので、沈んでしまう。でも水の結晶体である氷は、浮く。なんでそうなるのか、というのは実はまだ詳しくはわかっていません。「普通の水」では分からないことも、ナノレベルからアプローチしていくと分かる可能性があるのです。

高大スタッフ: 高校生にとって、研究室の様子って想像もつかないものだと思います。研究室ってどんなところですか?
客野さん: 研究室に配属されると授業もあまりないので、ほとんど室内にいることになります。だいたい部屋に一人一つ机があって、そこで勉強したりPCで作業したりします。実験する人は実験室で仕事をして、また机でデータをまとめたりします。あとはみんなでお昼に行ったりとか、飲み会をしたりもします。

高大スタッフ:「理系の研究者」というと研究室にこもって実験して…というイメージが一般的にもたれているかと思うのですが、実際のところはどうですか?
客野さん: そんなことはないです。むしろ、自分の研究をいかに人に伝えるかが重要になってくるので、プレゼンテーションスキルも重要だし、自分の研究をよく知らない人でも分かってもらえるように説明するスキルも必要になります。実際、学会などで若手研究会に参加して、他大学の院生や先生方と議論や交流をして知り合いを作ることも多いです。


○進路について

高大スタッフ: なぜ物理学を専攻することにしたのですか?
客野さん: 中学生のころから、理系科目が好きでした。高校2年生の時に物理を選択して、当時担任でもあった物理の先生からアインシュタインのビデオや宇宙についてのビデオといった物理学に関連するいろいろなビデオを見せてもらったり、「なぜ虹が七色に見えるのか」とか「宇宙の謎」などの「身近な物理学」についてお話をしてくれました。そのお話を通して物理学の幅広さとか面白さを感じ、興味を持ちました。

高大スタッフ: 女性で物理学を選ぶ人って少ないような気がするのですが…笑
客野さん: そうですね、あまり気にならなかったです。大学受験のとき、見学に行くと「女の子少ないです」と言われて「えーっ」と思うことはありましたけど(笑)。 実際都立大(現・首都大)に入学してみたら私の学年は50人中10人が女性で割と多い代だったので、特に困ることはなかったです。

高大スタッフ: 物理学って宇宙からナノレベルまで、すごく幅広い事象を扱っていると思うのですが、なぜ「ナノ分野」に興味をもたれたのですか。
客野さん: もともと、応用とか、世の中の役に立ちそうなことをやりたいなと思っていました。その中で、ナノ分野というのは比較的新しい分野ということもあって幅広い可能性を持っているのではと思ったからです。

高大スタッフ: なぜ学部卒や修士卒の時点で「就職」ではなく「進学」を選ばれたのでしょうか?
客野さん: まず修士にあがるときは、学部4年生のときに研究室に配属されて初めて研究というものを経験したので、「今まで一生懸命授業を受けて勉強してきたのに、それを実際に発揮できるのはたったの1年なのか…」と感じてもっと研究をしたいと思い修士課程に進学しました。修士を卒業したあとは、実はそのまま博士に進学せず一度外部に出ました。ちょっとイレギュラーなのですが青年海外協力隊としてケニアで2年間、教員免許を持っていましたので現地の学校で理科と数学の教師をしていました。ケニアは乾燥地帯なので、蛇口をひねっても水が出なくて水を汲みにいかなければならないこともあり、その生活を通して水の大切さを身を持って知ることになりました。あと、ゴミの焼却施設がないのでその辺でゴミを燃やしてしまう。その結果環境問題が発生していました。この経験を通して、水問題とか環境問題に興味を持つようになりました。
帰国後は、たまたま修士時代からお世話になっていた研究室の先生から「次の仕事が決まるまでRA(リサーチアシスタント/研究補助員)としてうちでちょっと働かない?」と声を掛けていただいて。そこで、研究補助員としてまた研究室に戻ることにしました。修士時代から水に関する研究を行ってはいたのですが、ケニアから帰国後して水問題に興味をもったこともあったので、博士課程に改めて入学し、研究することにしました。


高大スタッフ: ケニアにいらっしゃったと聞いて今ちょっと驚いているのですが、なぜ青年海外協力隊に行こうと思われたのでしょうか?
客野さん: 昔から国際協力に興味はあったのですが特に行動をしたことはありませんでした。修士課程を修了したのを機に、青年海外協力隊なら現地の生活を経験できるので、良いかなと思っていってみました。

高大スタッフ: 同じ研究室に戻られたということで、修士の研究と博士の研究は同じテーマをあつかっているのでしょうか?
客野さん: 修士時代は本当に「基礎研究」で、自分の仕事が何に役立つかとかはあまり考えていませんでした。今は、水問題に興味をもったこともあり、そういう方向に話をつなげられるように仕事をしています。例えば水の濾過膜が最近注目されたりしていますのでそこに結びつけられるといいなと思っています。

高大スタッフ: 将来の進路についてはどのように考えていらっしゃいますか。
客野さん: 正直何もまだ考えていません(笑) でも研究を続けたいとは考えているので、大学なり、研究所なり、企業でもよいので何かしらそういう道に進めればいいなぁと思っています。


○大学生活・日常について

高大スタッフ: 研究していて楽しいと思うのはどんな時でしょうか?
客野さん: 楽しいっていうか苦しいことも多いのですが、ナノ分野って比較的新しい分野なので分からないことがたくさんある、つまり新しい発見をする機会もたくさんあります。自分も新しい発見を出来る可能性がある点にやりがいを感じます。

高大スタッフ: 逆に苦しいときは?
客野さん: 実験を失敗してしまったときですね。

高大スタッフ: ちなみにそんな時のストレス解消法は?
客野さん: 普段室内にいることが多いので、なるべく外に出て買い物したり、運動したりしています。夏場は山歩きに言ったり、冬場はスノーボードにいったりします。

高大スタッフ: 最後に、これから科学の道を志す高校生・大学生にメッセージを頂けますか。
客野さん: 私自身、大学進学の際に物理と応用化学で迷った経験があります。
なので、物理にきてしばらくは「やっぱり化学にしておけばよかった…」と思ったこともありました(笑)。でも「継続は力なり」だったかなと今は思っています。一度決めて大学に入ってきたからには、たとえ「ちょっと見込み違いだったかな」「別の学科が良かった」と思ったとしても、とりあえず続けていれば成長するにつれ見えてくるものもあると思うからです。例えば私の研究は物理学ですが実は化学とも密接に関わっていますし。自分で「こういうことをやりたい」という気持ちを持っていれば、自然と道は開けると思います。あと、研究や勉強だけじゃなくていろいろ経験してみてほしいです。例えばサークルなり、アルバイトなり。研究に限らず、一つのことに集中するとどうしても視野が狭くなりがちなのですが、「新しい発想」というものは全然関係ないところから来たりするので。いろいろなことにチャレンジして、自分の世界を広げてほしいです。



<院生スタッフの感想>

身近なものの未知の性質を明らかにするという基礎研究のひとつの意義を教えて頂けたと思います。客野さんによる研究紹介は専門外である私にとっても非常に明瞭かつ刺激的なものでした。それに伴い客野さんがご自身の研究の位置づけ(背景・課題・展望など)について矜持を持って把握されていることが分かりました。これらは研究者にとって大切なことである、とよく耳にしますが、その大切さを教えて頂く非常に良い機会となりました。また、アクティブなパーソナリティをお持ちであるということも印象に残っています。
(日置/人文社会 修士1年)

水は私たちの生活や生命の維持に無くてはならない非常に身近な存在であるにも関わらず、まだまだ分かっていないことが多いという点にすごくわくわくしました。また、客野さんご自身の行動力の高さにも感銘を受けました。私自身を含め、これから研究者を目指す学生の皆さんにも、是非色々なことに挑戦し視野を広げていって欲しいと思います。
(末吉/生命科学 修士2年)


客野さん2
左から日置(高大スタッフ)、客野さん、末吉(高大スタッフ)

客野さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。


記事掲載:学生スタッフ